主人公ちはやが築く友人ふたりとの人間関係が学校でのいじめを背景にしている。クラス単位で無視をしたり,友人を装って話しかけて返ってきた言葉をメモして馬鹿にしたりする。いじめのひどさが後に作られる友人関係をドラマティックにしているものの,陰湿ないじめを主導しているような奴と友人になる点には共感できない。そいつは,たまたま今回は主人公との関係は作れたけれど,そうじゃない相手や,状況によってはまた陰湿ないじめをする可能性は高いだろうしね。作品としていうと,いじめを人間関係を魅せるためのスパイスとして割りと軽く使っているところが読んでいてあんまり良い気持ちはしない。

 

 

連休中に中学時代の同窓会に参加した。まえの開催は2018年の正月だったから,およそ1年4ヶ月ぶりの開催だった。自分でも忘れているような自分の父親の話をするひとがいた。中学時代以来その話をしていない。たいへん懐かしい。

サックスのエッセイ,妻を帽子とまちがえた男を読んだ。とてもおもしろい。鳥肌が立つような部分もあって思わず引用したくなる。症例の紹介の仕方の背景にある科学的な態度が文章の格調を高めているように思う。第1部の喪失と第2部過剰の初めを読んだ。過剰はもっと面白そうだ。

明日から仕事再開だ。明日や明日からの週の準備はおそらく大丈夫だ。仕事をこなすだけの量しかできていないのでよくない。